法案について調べれば調べるほど、わからないことが沢山出てきました。
そこで、国会の法務委員の議員方々に、審議で政府にぜひ聞いていただきたいことを、4/10より随時届けています。
以下、その内容をご紹介します。
★共謀罪(テロ等準備罪)の対象犯罪の内訳について
今回対象犯罪の5分類と代表例が公表されたが、それぞれの分類の内訳のすべてが網羅されてはいない。特に、テロの実行にかかわる罪110の詳細が明らかにならないうちは、審議開始の前提すら整っているとは言えない。また、今回除外された399の犯罪の除外理由も不明なものが多数ある。
質問1:277の対象犯罪すべてにつき、法務省が説明した5分類のどれにあたるか示すリストを審議にあたって公開すべきではないか。
質問2:対象から除外した犯罪399すべてにつき、除外理由を記して列挙したリストを審議にあたって公開すべきではないか。
★「テロリズム集団」の用語について
今回の法案で組織的犯罪集団の例示として、きわめて奇妙な「テロリズム集団」という用語が盛り込まれたにもかかわらず、条文に定義がないために、その内容が定かではない。テロリズムは一般に、政治的な主義思想、あるいは、それに基づく行為をさす。そして、それを実行に移す人間は「テロリスト」、その集団は「テロリスト集団」であって、「テロリズム集団」ではない。
質問3:「テロリスト集団」ではなく、通常使われることのない「テロリズム集団」という文言を使用した意図はなにか。また、その定義はなにか。
質問4:この文言の挿入で、テロの実行を意図するテロリストの集団ではなく、テロリズムという思想に共鳴するとみられる集団をも「組織的犯罪集団」とみなす余地が残るのではないか。
★TOC条約との齟齬について
質問5:TOC条約締結のための法整備といいながら、「組織的犯罪集団」の定義が条約と異なるのはなぜか。「金銭的・物質的利益」への限定をはずした意図、「組織的犯罪集団としての継続性」「重大犯罪を犯す目的で一体として行動する」を明記しなかった意図はなにか。
質問6:TOC条約では、公務員の汚職や司法妨害への対処も重要視されているのに、「虚偽鑑定」「虚偽告訴」「特別公務員職権濫用」「特別公務員暴行陵虐」などの重大犯罪を対象から除外したのはなぜか。
★捜査に関して
質問7:ある団体の共同の目的が重大犯罪の実行であるということを、捜査機関はどうやって知るのか。
質問8:通常は犯罪の結果が生じてから捜査は始まるが、「共謀罪(テロ等準備罪)」の場合、どの時点で捜査が始まるのか。