6月2日の、井出議員の質問と、林刑事局長の答弁、ザックリメモです。
専門用語が多くて、わたしにとって、メモとるのなかなか容易じゃないこと実感!
林局長は、ご自分の解釈述べてるんじゃないの、って感じ。条文のどこにも書いていない、
法律のスキスキのとこを、自分の(刑事局長の肩書付けて)解釈で埋めてる気がしました。
井出議員、鋭くえぐる、という迫り方を決してせずに、
政府側の答弁に疑問を感じる部分があっても、そこを突かないで、
なんども首を傾げつつ、
「…ということは、こういう解釈になりますか?」
と聞いていく。 (政府の答弁に沿えば)が、但し書きとして前につくのだな、という感じです。
林刑事局長も、それに対して、たくさん喋っちゃう風で。
どうも、井出議員はうまいこと政府答弁引き出す役割みたいに思えました。
で、出てきた答弁は、この後で分析されて、
おかしな点を、また別の人たちが、いろんな角度から追及してくのかな、
と期待させる感じ。
採決前と比べて、ヤジが飛び交うということも
どうもあまりなさそうで、空気が落ち着いています。
傍聴人も、減ってるのではないかなあ。
H.Y.
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井出:
(衆議院で通過したとはいえ)共謀罪の中身について議論を続けていくことは大事。
用意した質問を消化していない、おそらく林刑事局長も、用意した答弁を消化していない、
というものもあろうかと…
井出:
5月19日に取り上げた件の続き、共同正犯からの離脱ということからみていくと、
犯罪の実行との因果関係を断ち切るという意味において、
テロ等準備罪からの離脱は、犯罪の実行前の計画段階で、計画からの因果関係を断ち切る。
離脱の要件は計画段階の方が危険性が低い、共同正犯より緩くしておくべきではないか。
林:
共同正犯は既遂を前提とした因果関係。
テロ等準備罪 それよりも以前の行為。
計画行為・実行準備行為、二つを構成要件として掲げている
計画がされ、実行準備行為に至るより以前の段階で離脱。
井出:
離脱を、全員に表明して了承を得るという以前のご答弁あった。
現実的に、全員に伝えて、さらに了承を得るということについて、
もう少し具体的に。相手からの明示的な了承が必要なのか、必ずそこまでは必要ないのか。
林:
この点でいきますと、共犯関係の離脱、という点からの裁判例では、
意志を伝えた場合に、相手方がそれを受領したとするために、
必ずしも積極的に了承せずともよしとする判例もある。
個別具体的な事案において判断。
井出:
・・・政府の見解に沿えば、「組織的犯罪集団」は極めて凶悪な集団であると。
明確な目的を持っていなければならないとされる。
そうであるならば、そういう凶悪性の高い組織的犯罪集団だとすると、離脱の意思を表明された時に
むしろそこで犯罪が起きるのではないか、その人の命が奪われるのではないか。
離脱の要件については、慎重に考えていただきたい。
「組織の悪質性」という観点から、離脱の要件はこれまで通りでいいのか。
林:
これまでも、事実認定の中で判断されてきているので、これからもそこは変わらない。
あくまでも個別の事案による。
その意味で、計画からの離脱と、共犯関係からの離脱と、どちらが容易に考えていいか、という比較の問題ではないと考えている。
組織的犯罪集団による計画となると、計画から実行準備行為へと進む可能性が
極めて高い、という点に着目して、今回「テロ等準備罪」というものを構成している。
そうであるから、自らの行為としては、積極的な行動としては離脱の意思を他の計画者に伝えるということは不可欠ではないかと思う。
井出:
・・・犯罪を思いとどまる人までを、実際の犯罪に至る前にあって
処罰の対象とする必要性があるのか。
「自首をする人」と「離脱者」、捜査の端緒となるのは「自首」であるという想定から
こうした建付けになっているのか?
林:自首、離脱、いずれが捜査の端緒となり易いかは一概に言えない。
いずれが期待度が高い、とは一概に言えない。
井出:
自首は「実行準備行為後になされるものか?」
計画から、実行準備行為に至る前に「自首」があっても、犯罪そのものが認められないので
自首が成立もしない、という理解でいいか。
林:その通りです
井出:
「計画」についてお聞きしたい。
何回かお配りしてきた資料で、まだ触れることができなかった質問。
犯行実行の予定日、時刻、場所といったことについて、どの程度までの具体性が必要か?
(この資料、どうやらAさん、Bさん、Cさん、Dさんと色分けされた人物がいて、
それぞれの関わり具合が異なっている、というのが描かれているらしい
井出議員の質問を聞いていると、明示的というより、それぞれの心情的な部分にも触れてるみたいな感じです…)
林:
「具体的かつ現実的」とは、犯罪の目的やその対象、実行の手段、実行に至るまでの手段
各自の役割。
犯行の日時、各人の役割の詳細までは定まっている必要はない。
井出:
日時は変更もありうるかもしれないが、役割も、詳細まで決める必要が無いというのは、
指揮命令系統、役割分担というところが曖昧ではないか。
林:
役割が定められる必要はあるが、「誰が」という分担までは必要ない。
井出:
各人への役割の分担までは必要ないとすれば、本人の犯罪への認識…
犯罪に対する故意の部分にも関わってくるのではないか。
詳細な役割分担までが与えられていないとすれば、
「自分は当日には行かない」とか。
実行準備行為の認識が全員に共有されることは必要か?
林:
計画者には入っていない、「実行準備行為者(外形的にその行為をする人)」は対象に入らない。
外形的に計画に加わっていた人間で、犯罪の実行意思がなかった、ということは極めて例外的ではないか。
構成要件は重層的だが、最終的には「計画したもの」が処罰対象。
外形的には計画に加わっていたとしても、犯罪実行の意思が無かったことが明らかになった、
という人は、計画の意思がない、ということで処罰対象からは外れる場合がある。
井出:
政治的な意思を持ち、それを表明し、デモや座り込みを行う。
その時、偶発的に多くのけが人が出る事態になった場合に、
デモの計画をした人たちが、暴動を起こす意図があったと絡められることは
無い、ということを確認したい。
林:
組織的犯罪集団でなければならない、それは犯罪を目的とする団体。
デモや座り込みから、たまたま暴動に至るような場合には
組織的犯罪集団ではない、ということでテロ等準備罪には該当しない。
主体性、計画が偶発的なものではない、ということから、該当しない。
井出:
予備罪があるものと、共謀罪とで、罪の重さが逆転するのではないか、
というところで、まだどなたからも答弁が無いが、
それについてお聞きしたい。
林:
実行準備行為が「犯罪の予備行為」を排除していないので、
同意一の組織的犯罪集団が予備から入ったとしても
罪が軽くはならない。
井出:
・・・そうなると、またお聞きしなければならないことが出てくるが、
時間も少なくなってきているので、そこからは階先生にお願いすることに。
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このあと、井出議員は裁判員制度についての
実施状況あれこれ、の質問に移っていきます。
それが終わると、
階議員の番に。