「共謀罪 未解決の論点」

5月16日、民進党が「共謀罪 未解決の論点」という文書を出した。

 

 共謀罪法案(テロ等準備罪法案)で、審議の中で未だに明確にされない182の論点をリストアップしたものだ。

 

 概要はこんなかんじだ

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■共謀罪の要件について

 第1 組織的犯罪集団の意義、一般人が対象にならないかという問題

    1「団体」の定義

    2「組織的犯罪集団」の定義

    3一般人が「組織的犯罪集団」とされる可能性はあるか

 

 第2 対象犯罪について

    1立法事実はなにか

 

 第3 計画とは何か

 

 第4 準備行為について

 

 第5 捜査手法について

 

 第6 欠陥法であること

 

 第7 憲法適合性

 

 第8 その他

 

■共謀罪の立法事実について

 

 第1 TOC条約についてとテロ対策について

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この文書、すごく、いい。

順に読んでいくと、未解決の問題点が山積みなのがよくわかる。

 

似たような質問が並んでいる、細かすぎる、と思われるかもしれないが、

法案をきちんと読み、政府の答弁を照らし合わせ、矛盾するところや曖昧な点を並べていくと、こうなってしまう。

 

そもそも、どの論点も、本来なら法案提出者が提出前にチェックすべきことばかりだ。

犯罪の計画を立てただけの段階よりも、さらに危険性の高い予備段階に至ったほうが法定刑が軽いものが6例もあるというのは、その最たるものだ。内閣法制局はどうしてこうしたことをきちんとチェックしなかったのだろうか。 

 

文書には「条文上の根拠はなにか」「なぜ条文上に明示しないのか」という質問が何度も出てくるが、これはとても重要な指摘だ。

 

この法案には、肝心なことが明示されていない。

犯罪行為である「計画」の定義もない。刑事法ではなじみのない文言なのに。

これでは、法が成立してしまえばいかようにでも解釈され、思いもかけないような運用をされるおそれがある。

 

しかも、そうしたリスクを防ぐ工夫が条文上に見当たらない。もしかすると、現場での「フレキシブルな運用(恣意的な運用)」を許すため、わざと明示しないようにしているのではないか、とすら思えてくる。

 

さらに、答弁が矛盾だらけで、答弁する人によって食い違うだけでなく、

同じ人が同じ日に反対のことを言い出したりするため、法案の中身がちっとも明確にならない。

 

 

 

野党が出している数々の質問主意書にも、まともな答弁が返ってこない。

 

かくして、未解決の論点が増えていく。

 

 M.I.